イギリスの植民地であったローデシア(現ジンバブエ)の空軍に支給されたモデルです。裏蓋の「R.R.A.F.(Royal Rhodesian Air Force)」はローデシア空軍を表しています。1953年にイギリス空軍に納入された「シンアロー」は、1960年代に夜光の仕様がトリチウムに変わった際に、イギリス国防省(MoD)によってリダンされ、そのほとんどが「ファットアロー」タイプになってしまいました。シンアローは、当時イギリスの植民地であった国々に支給されましたが、それらのモデルは、シンアローのまま残っています。このモデルもその一つということになります。文字盤の夜光は、当時のラジウムのままですが、不可思議な点が1点あります。通常、この文字盤は、1mmほどの厚さがあり、夜光部分は、文字盤を彫り込んで、そこに夜光を流しています。しかし、この個体は、その彫り込みがなく、プリントの上から夜光を入れています。そして、文字盤の裏には、通常の文字盤には見られない数列があります。それ以外は、通常モデルと同じで、オリジナルであると判断します。文字盤は、若干の経年変化が見らますが、気になるような傷や汚れはありません。文字盤夜光の一部が若干剥がれています。ケースは小傷がありますが、目立つ大きな傷はなく、ポリッシュ感もありません。分解掃除後のお渡し。